SHIMANO XTRを詳しく解説
シマノは究極のMTBコンポーネントを求めて、27年に及ぶMTB開発の原点に立ち返る活動を行い、新次元の MTB レース部品を作り上げました。そうして生まれたXTR M9100シリーズはクロスカントリー、エンデューロ、マラソンレースに至るあらゆる過酷なMTBレースにおいて、他の追従を寄せ付けない性能と体験を提供します。
I-SPEC EVによるライディングに特化した、さらに柔軟で動きやすいコックピット
ライダーの集中力を高めるために生まれた新しいシフティングシステムによる、軽い力で動かせる素早いレバーアクセス
シフト中にもペダルをこぎ続けられる、信頼性の高い HYPERGLIDE+ シフティング
XCからエンデューロ・レーシングまでをカバーする高性能のディスクブレーキシステム
コンポーネント・パーツ
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クランク・チェーンホイール
ライダーのパワーを推進力に変えるために最も重要なクランク。
XTRではアルミ合金をメイン素材としながらも、軽量化と剛性の両立を図るためにチタンやカーボンを使用。
shimano史上初となるフロントシングルクランクもラインナップされ、シマノが提唱する「リズムステップデザイン」を実現する。 -
シフトレバー
XTRの精度の高い変速を促すシフトレバーは、シフトダウン・アップを手軽に行えるシステムで、荒れた路面を走り続けるXCやトレイルライドに最適です。ボールベアリングを採用したことでシフトの軽さも追及されています。
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フロントディレイラー
プレートの剛性が高いことで、高トルクがかかっている時でも軽いタッチでフロントを変速できます。
XTRではワイヤールーティングやマウント方式に合わせてラインナップが多く、どんな自転車にも取り付け可能です。 -
リアディレーラー
スタビライザーの搭載により、高低差のある段差やドロップオフを越えていくトレイルライドにおいてチェーンが暴れるのを防ぎ、チェーントラブルを回避できます。
ロープロファイル設計によって、コース上の障害物との衝突を防ぎ、メカニックトラブルを軽減します。 -
ディスクブレーキ
ブレーキローターはブレーキング時に100度を越える熱を持ち、制動力を著しく低下させます。
shimano独自のアイステクノロジーを採用したXTRは、フィンからの放熱に優れローターの温度上昇抑え安定したブレーキングを実現します。 -
ブレーキレバー
ブレーキと変速を統一したiSpec設計により、手元でブレーキングとシフティングを容易に行うことができます。
レバーには軽量なカーボンを用い、シリンダーにはマグネシウムやアルミを使用することで軽量化。
エルゴノミクスデザインで手になじむレバー構造となっています。 -
ボトムブラケットBB
ライダーのパワーを受けるため精度の高いベアリング、路面に近く防水性も要求される重要なパーツです。
shimanoのBBは耐久性も高く信頼して使用できます。
また、BB86のプレスフィットタイプのBBもラインナップされています。 -
スプロケット
リアの多段化に伴いベストなギアが選べます。
さらにロー側のギアを大きくしたワイドレシオを採用したことで、あらゆるコースを走破できる設計になっています。
また、カーボンスパイダーやチタンコグなどを使用し、軽量化に努めています。
ホイール
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XC用(チューブレス対応)
現在ではMTBにおいてチューブレスタイヤはスタンダードな存在になりました。
軽量に仕上がったshimanoのXC向けホイールは走破性を高めます。
独自設計のハブとリムから成るXTRのホイールは耐久性とハブの回転性能ともに優れ、大きなアドバンテージになります。 -
XC用(チューブラー)
カーボンリムを採用しホイールの軽量化を狙ったカーボンチューブラーです。
チューブラータイヤのグリップ力の高さと耐パンク性能には目を見張るものがあります。
ディスクブレーキモデルのため、リム加熱によるトラブルもなく、理想的なカーボンホイールの形の一つです。 -
オールマウンテン用(チューブレス対応)
トレイルライドでの使用を想定され設計されているオールマウンテン用ホイール。
XCよりも重量では劣るものの頑丈さを優先して作られています。
また、スルーアクスルを採用により、フロントの剛性が高くなり、ハードなトレイルの下りで安定したトレイルライドを楽しむことができます。
さらに上位グレードへ
SHIMANO XTR Di2(シマノ XTR Di2)
shimanoがラインナップするMTBコンポーネントのフラッグシップモデルであるXTRシリーズ。
1992年の発売以来、MTBの世界で常に最高の性能を維持しながら現在まで進化し続けてきたXTRは、日本だけでなく世界のトップランカーからも愛用されて続けています。
特筆する点として、XTRのコンポーネントでは、耐久性の高さ・変速系統の精度の高さ・軽量性の三者の両立が同時に成り立っていることが挙げられます。
さらにMTBコンポーネントでは初めて電動変速Di2が採用され、制御工学に基づいた変速システムを採用することで外部からのノイズをシャットアウトした完全無比なシフトが可能となりました。
また、Di2化に伴いshimanoでも初めての試みであるシンクロシフトが採用されました。これは、フロント・リア変速をシフトレバー1本で賄うものであり、ライダーが意図するギア比を電子部分が読み取り、フロント・リアを最適なギアに入れてくれるシステム。これにより、ライダーは純粋に走ることに集中でき、変速ミスも減ることが期待されています。