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ステム・ハンドル交換、セッティング方法【2016/7/4更新】
ハンドルまでの距離が合っていないとき、ハンドルを交換したいときは、ステム、ハンドルを交換することで操作性や乗り心地を改善することが出来ます。
目次
ハンドルの規格
ハンドルの形状は大きくフラットバー型とドロップバー型に分けることができます。ブレーキレバーなどの規格が異なるので、両者に互換性はありません。また、業界標準のサイズが確立する以前は、様々な規格が乱立していましたので、古い自転車の中にはこれらに該当しない規格のハンドルを採用しているものもあります。
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フラットバーの規格
ハンドル中央部分、ステムと接続する部分の径(ハンドルクランプ径)は、一般的なMTB用フラットバーで25.4mm、31.8mmがあります。対応するステムが異なるので注意して下さい。また、形状、幅、ベンド角が異なる様々なハンドルが存在します。
MTBの最近では700mmを超えるハンドル幅が流行りとなっています。メリットとしてはバイクコントロールがしやすくリラックスしたポジションで乗車できるため疲れにくいなどがあります。
ただ、幅が広いため、狭い道や木々の間を走り抜ける際に引っかかることもあります。重量も増えるため、そのハンドルの特徴と用途を踏まえて選ぶ必要があります。
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ドロップバーの規格
ハンドル中央部分、ステムと接続する部分の径(ハンドルクランプ径)は、一般的なロード用ドロップバーで26.0mm、31.8mmがあります。(他に特殊サイズも存在しますのでご注意ください。)対応するステムが異なるので注意して下さい。
形状は大きく分けてシャロー型とアナトミック型があり、幅(肩幅にあわせるのが良いとされています。)、リーチ、ドロップ部落差が異なる様々なハンドルが存在します。最近は日本人向けとしてリーチ、落差を小さく抑え、手が小さくとも握りやすい形状のハンドルが各社から発売されています。
ハンドルの素材
素材には、カーボン、アルミ、鉄などがあります。カーボンは振動吸収に優れています。悪路を走行する際、鉄やアルミのハンドルの場合、路面からの振動により腕に疲労が溜まってしまいます。カーボンハンドルの場合、その疲労を和らげることができます。また、同じ強度を持たせようとしたとき、カーボンのほうが軽く作ることができるので、自転車の軽量化にも一役買っています。
強度や剛性が鉄やアルミに劣るものも少なくないため、プロロードレーサーのスプリンターはカーボンハンドルを好んで使わない場合もあります。そういった選手はアルミハンドルを使うなどしています。
ステム交換(アヘッドステム編)
アヘッドステムは、フォークから伸びたフォークコラムとハンドルをつなぐ一の字型のパーツです。ヘッドパーツ(フォークを滑らかに回転させるための軸受け)の調整をトップキャップについているボルトで行い、ステムの高さはコラムスペーサーを積み重ねることで決めます。
アヘッドステムの取り扱いもご覧下さい。
最近はフォークコラム側のクランプ径はほぼオーバーサイズ(1・1/8)ですが、クロモリ車ではノーマルサイズが使われることもあります。また、一部のMTBではさらに大径のフォークコラムが採用されています。ハンドルもクランプ径がいくつかあるので注意してください。
さらに、必要な長さがあるか、用途があっているかで決定します。フォークコラムが短すぎてハンドルを上げられない場合は、ライズ角(傾き)の大きなステムを利用することである程度あげることができます。
※細かいこととして、フォークコラムをクランプする部分の高さに注意して下さい。交換後クランプ部が短くなる場合は足りない分コラムスペーサーを追加する必要があります。
ステムボルトを締め付ける際には、締め付けトルクに十分注意しながら行ってください。詳しくは「工具の使い方(ネジ編)」を参考にしてください。
- ハンドルを外す
- ハンドルを固定しているボルトを外し、ハンドルを取り外します。
- ステムを外す
- トップキャップを外し、クランプボルトを緩めてステムを上に引き抜きます。コラムスペーサーはなくさないようにとっておきましょう。
- ステムを取り付ける新しいステムを取り付けます。フォークコラムがカーボンの場合、固定部に摩擦増強剤を塗っておくことをオススメします。
- ハンドルを取り付けるハンドルの中央をクランプするように気をつけながら、ハンドルを仮止めします。仮止めしたらハンドルの角度を決めます。ハンドルや乗り手によって最適な角度は異なりますが、フラットハンドルでは握り部分が地面と平行になるように、シャローハンドルは下ハンドルの平行部が平行から10°上がるくらい、アナトミックハンドルは上のフラット部が平行になるようにします。位置決めが完了したら、「各種ねじの締め方」を参考にしっかり固定して下さい。カーボンハンドルの場合はフォークコラムがカーボンの場合と同じように注意して取り付けて下さい。
ハンドルの交換(アヘッドステム編)
- ハンドルを外すグリップ、バーテープを外し、ハンドルに取り付けられているすべてのパーツを外します。そのあとでハンドルをステムから取外します。
- 新しいハンドルを取り付ける新しいハンドルを、上の記事を参考にして固定します。もしブレーキワイヤや変速ワイヤの長さが短く、ハンドルを取り付けるとレバーを取り付けられない場合は、仮止め前にパーツを通しておくとうまくいきます。
- パーツを取り付けるフラットハンドルの場合、ブレーキレバーは45°下向きを目安にして下さい。シフトレバーは、ブレーキレバーを引ける位置でもっとも操作しやすい位置に調整してください。
ドロップハンドルの場合、下ハンドルの平行部に定規を当て、ブレーキレバーの先端がその定規に触れるくらい、レバーは車体と平行になるのが目安です。 - 仕上げグリップ、バーテープを取り付けて終了です。
アルミとカーボンの組み合わせ
アルミステムとカーボンハンドル、カーボンステムとアルミハンドルなどの組み合わせで使用する際には注意が必要です。例えばアルミステムとカーボンハンドルという組み合わせで使用するとき、ステム側の指定しているトルクで締めるとカーボンハンドルに対しては規定以上の圧がかかるという状況になってしまいます。ハンドルやステムだけでなく、アルミパーツとカーボンパーツを組み合わせる際には、ファイバーグリップを塗るなどして、最低限必要な締め付けトルクを下げる工夫を行う必要があります。
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投稿者情報:mechanic
京都のサイクルショップ自転車のQBEI(きゅうべえ)が自転車メンテナンス全般に関して綴ったブログ。ネジの締め方からカーボンバイクの扱い、電動DURA-ACEまで、バイシクルメンテナンス・自転車の扱い方を幅広く掲載。
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- 2010/07/08 - mechanic
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こんにちは、竹野様。スタッフ山田です。
ご質問のトルクでございますが、SBAA加盟のシマノに聞きましたところ
「ネジ1本に対する表記です」と返答いただきました。
確かに複数本の場合は、混乱を招きやすいように思われます。
(但しメーカーによっては違う場合も考えられるので絶対的な
ものではございません。)
また複数本の場合、取り付け方法を誤ると管理の意味がないので
ご注意ください。弊社ブログに記事をまとめておりますので
参照いただけますと幸いです。
https://www.qbei.jp/info/bicycle-maintenance/768
https://www.qbei.jp/info/bicycle-maintenance/135
好みのパーツで組めるとサイクルライフもさらに充実
していただけると思います。
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- 2010/07/08 - 竹野 泰典
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QBEI 山田様
ご回答有り難うございました。
わざわざシマノに問い合わせていただき、恐縮です。他の記事も参考にさせていただき、パーツ交換を楽しみたいと思います。
この度は有り難うございました。竹野
質問・コメントは下記フォームよりお送り頂けます。
- カテゴリ/タグ:Handle(ハンドル周り), アップグレード, ポジション, ロードバイク
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QBEI 山田様
はじめまして。竹野と申します。
現在、ロードバイクのステムの交換を検討しているのですが、締め付けトルクについて質問させて下さい。
ステムのハンドルバー取り付け部には4本、フォークコラム取り付け部には2本のボルトが使用されていて、それぞれ締め付けトルクについて8Nm,10Nmと表記されています。
これは、ボルト一本あたりのトルクなのでしょうか。それとも2本または4本合わせてのトルクなのでしょうか。
Webで検索したところ、合計値であるとの情報が散見されたのですが、コラム部はともかくハンドル部が一本あたり2Nmというのはちょっと緩いような気がします。
初歩的な質問で大変恐縮ですが、ご教授いただければ幸いです。
よろしくお願い申し上げます。