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ディスクブレーキのメンテナンス方法~ディスクブレーキローターとパッドの洗浄編~
目次
ディスクブレーキ洗浄・メンテナンス概要
この記事ではロードバイクやシクロクロスやマウンバイクに使用されている、ディスクブレーキのメンテナンス方法について解説します。ローターとパッドの洗浄方法にスポットを当ててご紹介します。
さらに絶対にやってはいけないNGメンテや洗浄するタイミングについてもご紹介します。

ローターとパッドの洗浄のメリット
- 1、制動力の向上
- 2、パッドとローターの消耗を抑制
- 3、ブレーキング時の音鳴りを抑制
ディスクブレーキのパッドとローターを洗浄することで上記メリットが生まれます。
雨の日、または路面に水が残っている状況で走行すると、砂や路面の油分が跳ね上がり、ローターやパッドに付着します。
逆に洗浄しないと、ローターの消耗が早まることとなり、そしてディスクブレーキのメリットの一つである制動力を100%発揮させることができません。またブレーキング時にキーキーという音鳴りが発生しやすくなります。
油分で制動力が落ちる理由は、
ディスクブレーキローターやパッドに油分が付着することで、油分で油膜が形成されることで滑る効果が生まれ制動力が落ちてしまいます。
また音鳴りの原因の多くもこの油分の付着が考えられます。ローターやパッドから油分を取り除くことで制動力を取り戻し、音鳴りを防ぐことができます。
消耗が早まる理由としては
砂が付くことで砂がやすりのような効果となり、ディスクブレーキのローターとパッドを削ってしまいます。洗浄して砂を落とすことで摩耗を防ぐことができます。
また、ローターをこまめに洗浄することでパッドへの油分の付着を抑え、不要なパッド交換の発生を防ぐことができます。
ローターの油分は付着しても比較的容易に除去することができますが、パッドに油分が染みついてしまうと交換するしかなくなります。
パッドはキャリパーの内部に収まっているためローターよりは路面からの油分の付着は少ないですが、ロータに付着した油分がパッドに移ってしまいます。
そのためロータに油分が付いたままで長く使用していると、ロータから油分がどんどんパッドに移ってしまい油分がパッドに蓄積してしみ付いてしまいます。
こうなると洗浄してもパッドから油分を取り除くのが難しくなってしまいパッド交換となります。
以上から梅雨の時期など雨が多い季節はこまめにディスクブレーキの洗浄を行うことをお勧めします。
洗浄頻度目安
雨
先述のように雨によりディスクブレーキローターやパッドが激しく汚れるため、雨天走行後は洗浄をお勧めします。
汚れ具合
音鳴りがする場合は油分が付いている可能性が高いです。パッドへの付着がひどくなる前になるべく早く洗浄を行いましょう。
ブレーキをかけた際に、抵抗を感じたらそれは付着した砂がローターやパッドを削ている可能性があります。(感じる抵抗は感覚になりますが、ジョリジョリといった感じやズズーといった感じです。)
また下記画像のようにパッドが黒ずんでいたら油分が付着しています。

右:新品パッド
ローターは布なので拭いたときに黒いすすが付いたり、ローターに黒い筋のようなものが付いていたら、油分が付着していますので洗浄を行いましょう。


汚れが黒い筋となって見える
走行状況
雨天時の走行がない場合でも、水が残っている路面やオフロードを走行した場合も油分や砂が付着しやすいので洗浄を行いましょう。
頻度
特に上記のような、汚れが付きやすいシーンの走行がなかった場合でも、月一回の洗浄が目安になります。別の理由として、パッドの消耗具合はリムブレーキと異なり、装着したままではわかりにくいです。
そのため、洗浄を兼ねてパッドの減り具合のチェックを行うためにも月一回の洗浄を行いましょう。
※ちなみにパッドの交換目安はシマノ製だと、「パッドの厚さが0.5mm以下になれば交換の目安」となっています。

まずはディスクブレーキNGメンテナンス
NGメンテナンスはこちら
- 1、ディグリーザーで洗浄
- 2、洗浄用具の使いまわし
- 3、洗浄順番
- 4、オイル系ケミカルの飛散
1、ディグリーザーで洗浄
多くのディグリーザーにはその成分に油分が含まれています。ディグリーザーでディスク周りを洗浄することは、油分を取り除いているつもりが実は油分をかけているという恐ろしいことになります。
ディスク周りの洗浄には、中性洗剤やディスクブレーキも洗浄できるディグリーザーやクリーナーを使用しましょう。
ディスクブレーキ専用ディグリーザーやクリーナーには油分が成分に含まれていません。

2、洗浄用具の使いまわし
チェーンやフレームなど油分が付いたパーツを洗浄、吹き上げを行ったスポンジや布でディスクブレーキローターやパッドを洗浄してしまうと、その洗浄用具についている油分がローターやパッドに移ってしまいます。
ディスクブレーキ周りのメンテナンスに使う用具はその他の箇所を洗浄する用具と使い分けるようにしましょう。

3、洗浄順番
ブレーキ周りの洗浄は一番最後にしましょう。チェーンやスプロケットの洗浄や注油をする際、どうしても汚れやオイルが飛散します。せっかくディスクブレーキの洗浄を行い油分を取り除いても、そのあとに駆動系の洗浄をしてしまうと飛散により、ローターやパッドに油分が再度付着してしまいます。
飛散を防ぐ下記のようなアイテムもあります。
4、オイル系ケミカルの飛散
スプロケットの洗浄時にはディスクブレーキローターを布や上記アイテムでガードして行うと油分の付着を防ぐことができます。

自転車洗浄の最後の仕上げに、スプレータイプのワックスやコーティング剤を吹きかける場合があります。これらのケミカルも成分に油分が含まれるものがほとんどです。
最後の最後でディスクブレーキローターやパッドに油分をかけてしまわないようにしましょう。
ディスク周りにワックスを施工する際は吹きかけるのではなく、布にケミカルを付けてそれで吹き上げるようにしましょう。上記アイテムである程度防ぐことができますが、吹き上げる方が確実に油分の付着を防ぐことができます。
ディスクブレーキ洗浄方法
ディスクブレーキローターの洗浄方法

ローター洗浄におすすめケミカル
・マックオフ ディスクブレーキクリーナー
汚れを浮き出して除去できます。マックオフ独自の配合によるコンディショナーで、汚れ除去だけではなくブレーキの鳴きを軽減し、ディスクパッドの寿命を延ばし、ブレーキング機能を回復させます。
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・マックオフ ナノテックバイククリーナー
非常に強力に汚れを落としてくれるクリーナー。
カーボンファイバーやゴムや樹脂、シール、ケーブル、ブレーキパッドやローターも傷つけない、あらゆる自転車の部品と表面に安全なので自転車を丸っと洗うことができる洗剤です。生分解性で環境や生態系への影響も少ない、環境とバイクの両方に優しいケミカルです。
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・フィニッシュライン スーパー バイクウォッシュ
汚れを落とすだけではなく、成分に含まれる酸化防止剤がパーツの錆を防いでくれます。雨の日によく乗る方にお勧めのバイクウォッシュです。環境にも優しく、自転車のどの部分に使用しても安全です。
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ディスクブレーキローターの洗浄方法
1,まずは水で付着した砂を洗い流します。
砂が付いたままスポンジでこすってしまうとローターに傷をつけてしまい、制動力の低下につながります。

2,水で洗い流した後上記ケミカルを吹き付け、スポンジで洗浄します。

3,水でケミカルを洗い流しきれいな布などで水分をふき取って完了です。
ディスクブレーキパッドの洗浄方法
使用ケミカル
・クイックメンテ→マックオフ ディスクブレーキクリーナー
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・しっかりメンテ→中性洗剤(市販の台所洗剤でも可)
クイック洗浄方法
マックオフのディスクブレーキクリーナーはゴム、プラスチック、アルミニウム、カーボン、塗装面にダメージを与えないので、図のようにキャリパーにパッドを付けたまま洗浄することができます。
直接噴射することでキャリパーの洗浄も行うことができます。

しっかり洗浄方法
音鳴りがする場合この方法でパッドに染み込んだのある程度の油分を除去することができます。
1,中性洗剤をかけて20分ほどおいておきます。

2,パッドを外したついでにキャリパーの内側も洗浄しておきましょう。
中性洗剤とブラシで洗うか上記のマックオフのディスクブレーキクリーナーで洗浄しましょう。
3,20分後つけておいたパッドを水でよく洗い流します。

左:新品

4,洗い終わったらきれいな布で拭いて装着します
※この時パッドの面に触れない様にしましょう。指の油分が付着します。
ディスクパッドの取り外し方は下記記事を参考にしてください。
ロードバイクディスクブレーキのパッドの外し方はこちら
※先述のように染み込み方がひどい場合は安全性の面からもパッドをお勧めします。
最後に
制動力はディスクブレーキローターを洗浄するだけで大きく向上します。ブレーキは安全面に直結するパーツですので事故けがを防ぐために、ちょっとの手間をかけて洗浄を行ってみてください。
特にヒルクライムをする方はこまめな洗浄をお勧めします。
制動力が上がるということは、ブレーキングに使う力を減らすことができます。ブレーキングに疲れてしまうと、とっさの時にブレーキに力が入らないという危険もあります。
下りきる最後までしっかりブレーキングすることができて安全に楽に下ることができるのでぜひ山に走りに行く前にローターだけでも洗浄してみてください。

ディスクブレーキその他のメンテナンス
ディスクブレーキローターやパッドの交換方法、交換時期については下記詳細記事を参考にしてください。
ディスクブレーキのメンテナンスと調整方法について
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投稿者情報:mechanic
京都のサイクルショップ自転車のQBEI(きゅうべえ)が自転車メンテナンス全般に関して綴ったブログ。ネジの締め方からカーボンバイクの扱い、電動DURA-ACEまで、バイシクルメンテナンス・自転車の扱い方を幅広く掲載。
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