公開日 :
CO2インフレーターの使い方 携帯ポンプとの比較【2016/10/06更新】
楽々空気を入れることができるCO2インフレーターの使い方、メリットとデメリットをご紹介します。
ロードバイクやクロスバイク等のスポーツバイクのタイヤは空気を高圧に入れなくてはいけません。出先でのパンク修理時、携帯ポンプで空気を高圧に入れるのは大変です。ポンピングの回数も多く、最後の方はポンピングにかなりの力が必要です。
その点CO2インフレーターは力は一切使わず、しかも一瞬で空気を入れることができます。
女性の方には非常におすすめのツールです!
CO2インフレーターの使い方といくつかの注意点を取得して、パンク修理を楽にしましょう。
目次
CO2インフレーターとは
CO2インフレーターは、CO2をチューブに充填するための携帯用の道具です。主に出先のパンク時に携帯ポンプの代わりにチューブに空気を入れるために使います。携帯ポンプと異なり、空気ではなくCO2をチューブに送り込みます。
CO2カートリッジをとりつけて、その反対側をチューブのバルブに装着して使用します。CO2インフレーターだけではCO2を入れることができないため、CO2カートリッジも携帯します。
CO2カートリッジの規格
CO2カートリッジには、「ネジ付き」と「ネジなし」の二種類があります。CO2インフレーターごとに対応するカートリッジの種類が異なりますので、説明書をご覧下さい。
最近は「ネジ付き」が主流になっています。
CO2カートリッジのネジの規格は統一されているため、インフレーターと、カートリッジのメーカーが異なっても使用することができます。
インフレーターの種類
インフレーターの形状で分けると主に下記の4つがあります。
形状で分類
ストレートタイプ
かさばらないので、ツールケースなどには収納しやすいメリットがあります。
充填時はカートリッジ自体もスポークの間に入るので、スポークが邪魔になり作業しづらい場合もあります。
TOPEAK (トピーク) [PPM08500] Micro AirBooster (マイクロエアーブースター)
L字型タイプ
作業がとてもしやすい形状です。ツールケースへの収納時に少しかさばります。
TNI(ティーエヌアイ) CO2ボンベアダプターヘッド単体 (クイックスクリュー)
ケース式
カートリッジをケースに入れて使うため、カートリッジの冷却による凍傷を防ぐことができます。
1と2のタイプと比べると収納はかさばります。
携帯ポンプ一体型
携帯ポンプとしても使えて、インフレーターとしても使えます。CO2の充填に失敗してしまった、またはパンクが数回起こってしまいカートリッジが足りなくなったときに、携帯ポンプとして空気を入れることができます。
ロングライドにおススメです。
LEZYNE (レザイン) PRESSURE DRIVE CFH (プレッシャードライブCFH)
携帯工具一体型
携帯工具にインフレーターが含まれているものもあります。
その場合のインフレーターは非常にシンプルな作りになっているものが多く、充填するCO2の量を調節する機構を持ていません。インフレーターに使い慣れた方におすすめです。
充填量の調節方法で分類
ダイヤルを回してCO2を出す、または出る量の調整をするタイプと、押し当てるとCO2が出るプッシュ式のタイプがあります。
プッシュ式はバルブタイプより小型ですが、バルブ式よりCO2の出る量の調整が難しく、微調整はバルブ式の方がやりやすいです。
実際の使い方
※凍傷に注意!!CO2インフレーターを使用する際は、充填が始まったらカートリッジを直接素手で触らないでください。
CO2インフレーターで空気を入れると、断熱膨張という現象によりカートリッジがとても冷たくなります。そのため、CO2カートリッジを使う際は、必ず手袋をして、可能であればハンカチなどの布で包んでからタイヤに充填してください。
仏式バルブでの使い方を例にとり解説します。米式の場合は対応するCO2インフレーターを用いる以外ほぼ同じです。
- 仏式バルブを開き、バルブを少し押して固着をとる
- CO2カートリッジをCO2インフレーター本体に取り付ける
CO2カートリッジをCO2インフレーターに取り付けると、カートリッジに穴が開くので使い切るまで外すことができません。
- インフレーターをバルブに押しつけ、充填する。またはダイヤル式は、ダイヤルを回して充填する。
- インフレーターは一気に充填するので、チューブがビートに噛んでいた場合は一瞬でバーストしてしまいます。そのため充填は慎重に、ゆっくりとCO2チューブの取り付けミスなどがないか確認しながら注入してください。CO2カートリッジが余りに低温になると出にくくなるので、そうなった場合はカートリッジが暖まるまでしばらく放置してください。
- CO2カートリッジを空にして取り外す一度接続したCO2カートリッジは使い切るまで外せませんので、その場で使い切れない場合でも中身を空にしてからカートリッジを外します。外したカートリッジは自宅にて処分をします。
- 仏式バルブを閉じる
CO2によるパンク修理での注意事項
1.CO2はレーシングチューブでは抜けやすい
CO2インフレーターは、ブチルゴム系チューブ(ブチルチューブ・一般的な黒いチューブ)に充填する場合は通常の空気入れと同じように扱えます。ブチルゴムでは窒素(空気の主成分)と二酸化炭素(CO2カートリッジの中身)の透過率に大差がないからです。
しかし、高級チューブとして用いられるラテックスチューブでは、二酸化炭素は窒素の約15倍(気温25℃下)という勢いで抜けてしまうので、レースイベントのような短時間でゴールできる場合を除いてCO2インフレーターは適しません。
また、ウレタン系チューブでも二酸化炭素は窒素の約2倍(気温25℃下)早く抜けてしまいますので、あまり長時間の利用には適しません。
2.MTBタイヤでの利用について
一般的なCO2カートリッジ(16g)は700x23cのタイヤを7気圧程度まで膨らませる能力を持ちますが、太いクロスバイクやMTBのタイヤに充填する場合は一本では十分に圧力が上がらない場合があります。
そのような場合は、CO2カートリッジを2本、もしくは大容量CO2カートリッジを使って充填します。26×2.1程度のMTBタイヤであれば24gカートリッジで約2気圧程度まで上げることができました。
ダウンヒル用タイヤや29erタイヤの場合はそれでも不足する可能性がありますので、一度空気が抜けきった状態からCO2インフレーターのみでどこまで圧力を上げられるか試してみることを強くおすすめします。
携帯ポンプとの比較、メリット・デメリット
メリット
・携帯ポンプより少ない力ですばやく、入れることができる
デメリット
・CO2カートリッジが無くなると使い物にならなくなる。
・カートリッジを2~3本持っていかなくてはいけないため荷物が増える。使用したとしても、空のカートリッジを持って帰らなくてはいけない。
ボトルゲージ台座に固定するホルダーもあるので、こういったものを活用すれば省スペースになります。
シェアをお願いします!
投稿者情報:mechanic
京都のサイクルショップ自転車のQBEI(きゅうべえ)が自転車メンテナンス全般に関して綴ったブログ。ネジの締め方からカーボンバイクの扱い、電動DURA-ACEまで、バイシクルメンテナンス・自転車の扱い方を幅広く掲載。
コメントはまだありません。質問大募集中です!
質問・コメントは下記フォームよりお送り頂けます。