<自転車メンテナンス> 乗車前の点検 後編
今回は、およそ一ヶ月に一回のペースで行っていただきたい点検項目を紹介します。
この点検により、普段の乗車前点検ではわかりにくいトラブルも見つけることが出来ます。
目次
普段の点検をもう一度
まずは乗車前に行っている点検を、より丁寧に行ってください。
タイヤの細かいチェック
タイヤにガラス片などが食い込んでいる場合があります。このようなキズはパンクの原因になるので、見つけたら異物を取り除きましょう。大きな傷がある場合はタイヤを交換する必要があります。この記事を参考にしてください。
もし多数のキズが入っている場合は、ツーリング用タイヤに交換されるのも有効です。レース用のものは重量、グリップ重視で耐久性に劣る場合があります。
チェーンの点検
走っていて「シャリシャリ」とチェーンがきしむ音がしたら完全に油切れです。オイル切れのまま走行すると、チェーン、スプロケットの寿命を縮めることにつながります。チェーンに専用のオイルを注油しましょう。 注油する前にチェーンの洗浄をするとチェーンが長持ちします。
クランク/ペダル
- クランク、BBの増し締め
- BBの回転チェック
クランクの取付方法は、大きく分けて従来型とホローテックⅡ型(2ピース型)があります。
特にホローテックⅡ型は比較的緩みやすいので、定期的な増し締めが必要です。初心者の方は二本の左クランク取付ボルトを5mmアーレンキーで交互にしっかり締めるだけで結構です。
従来型はクランク中央のボルトを長めの8mmアーレンキーで強く締めこむだけです。
手でクランクを回し、ガタ、手で回すのがつらいほどの異常な渋さが無いか確認してください。
これらの症状がある場合は、たいていBBが寿命を迎えています。雨天時の走行が多い場合、早く寿命を迎える場合があります。ホローテックⅡ型の場合、まれにBBカップが緩んで回転が異常に渋くなる場合があります。この場合、BBを増し締めするだけで解決する場合があります。
ヘッド周り
- アヘッドの調整
- スレッドヘッドの調整
アヘッドタイプのヘッドは、比較的緩みやすいので、定期的に調整する必要があります。 調整方法は、ステムのフォーク側固定ボルト(多くは二本)を緩め、ハンドルが自由に動くようにして、トップキャップのボルトを5mmアーレンキーで締めます。
このとき、締めたりなければヘッドにガタが出て破損の原因になり、締めすぎればヘッドの回転が重くなり、ベアリングを傷めます。ガタが出ないように締めたらハンドルをまっすぐセットし、ステムの固定ボルトをしっかり締めてください。
一部の自転車は、スレッドタイプのヘッドを採用しています。
トラブルが起こりにくい構造ですが、このヘッドは調整が難しいので、ガタがあったら購入店に持ち込んで点検してください。
シートポストの固着
長期間サドルの高さを変えていないと、シートポストが固着して動かなくなる場合があります。そこで、ここを参考にして定期的にシートポストを動かし、グリスを塗ってください。
ホイールの点検
ホイールを構成しているスポークを触って、たるんでいたり、切れているものが無いか確認します。そのような場合はホイールを修理、交換する必要があるので購入店に相談してください。
最後に
ここではトラブルが起こりやすい箇所のみしかリストアップしていません。さまざまな規格のパーツを組み合わせている関係上、判りにくい場所でトラブルが発生する場合があります。
そこで、一年に一回はプロショップでのオーバーホールをおすすめします。
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投稿者情報:mechanic