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ロードバイクを自動車に載せる方法 車載用キャリアの選び方 【6ホイール】
ロードバイクで遠方にあるコースを楽しむ場合、そのコースまでの移動が問題となります。このときよく使われるのが、自転車を袋に入れて電車に乗る「輪行」、そしてもう一つが自転車を自家用車に積む「車載(トランスポート)」という方法です。今回は後者について調査してみました。
目次
車載について
遠方にある有名な峠を走りたい、MTBで、常設コースを走行したい、といった場合、そこへ向かう手段が問題となります。輪行は手軽なのですが、駅が近くにないと使えない、という弱点もあります。車載は、準備に手間がかかり、また走行前後で運転する必要もありますが、駐車場のあるところであればどこにでも遠征できる、というメリットがあります。また、大人数の場合、輪行ではほかの乗客に迷惑がかかるため輪行できない、ということも起こります。
そこで、レースやサイクリングイベントの際には、車載で会場まで向かうというのが一番メジャーな方法になっています。
車載方法まとめ
車載方法は、おおまかに「車内に入れる」「車外に入れる」の二種類に分けることができます。
車内
そのまま積む
ワゴン車専用の積み方です。チームでレース会場で向かう際などに用いられます。後ろ荷室に自転車を前向き・後ろ向き・と交互に並べ、たくさんの台数を運ぶ方法です。大型車以外では不可能な方法です。
輪行袋に入れる
自転車の前後輪を外し、輪行袋に入れ、それを後部座席やトランクに入れる方法です。一番確実に入る方法ですが、手間がかかるのと、ディレイラーなどしっかり保護しないと、ぶつけて曲げてしまう危険性があります。また、中締めベルトでしっかりと袋に入れないと、走行中異音が出ることもあります。
専用台座を使う
VERGO-TF2のような専用台座を使い、後部荷室に自転車を立てて入れる方法です。エンド破損などのリスクが小さく、また一部の小型車でも利用可能なので、定番の方法です。ただし、荷室サイズによって可・不可が分かれるため、入るか判断するのが難しい方法でもあります。これについてはきゅうべえにて調査してみましたので、ぜひ下の章を参考にして判断してください。

VERGO-TF2
車外
ルーフキャリアを使う
自動車の天井に専用キャリアを取り付ける方法です。車体サイズにかかわらず車載可能ですが、立体駐車場や高架の通過が困難になる、自転車が雨ざらしになる、2台以上は積めない、という欠点もあります。
ルーフレール付きの車両であれば比較的装着しやすいですが、そうでない場合、車種ごとの専用マウントを選ばなければなりません。

ELITE(エリート) サンレモ レースロック ユニバーサル フォークダウンアタッチメント

ルーフマウント例
ルーフキャリアにはほかにもこのようなタイプの製品もあります。
VERGO-TF2を使った車載
VERGO-TF2について
VERGO-TF2は、車載専用に開発されたスポーツバイクスタンドです。フォーク固定位置/傾きを調整可能なので、サイズの問題がなければ自転車を2台立てて搭載することができます。サイズ的に厳しい場合でも、リアエンドサポーターを使うことで後輪を外し、車載できる可能性が高まります。

リアエンドサポート2
取り外したホイールをセットできるホイールサポーターがセットになったVERGO-TF2 -WHもあります。
・ホイール2本装着可能
・床からホイールが浮くので車内が汚れない
・角度、向きも調整可能
・取り外したホイールでフレームや車内に傷がつかない
また、この機種の特徴として、レース会場などではVERGO-TF STANDと合体させることで、メンテナンススタンドとして使うことができます。出先でも細かなメンテナンスができるアイデア商品です。

VERGO-TF STAND
車載に必要な寸法
Aが約10cmありますので、荷室高-10cm > Bでなければなりません。

必要寸法:高さ
また、奥行はハンドルブラケット部から後輪まであります。もしリアホイールを外す前提でしたら、ロードバイクならCから30cm引くことができます。また、どうしても入らない場合、ハンドルを回転させることで、さらに-10cm確保できます。

必要寸法:奥行
この数字をフレームサイズ53cmのロードバイクにて実測したところ、A+B=70cm、C=後輪付きで150cm、後輪を外して120cmでした。

実測寸法
ただ、シクロクロス、グラベルロード、MTBのようにホイールベースが長い車種の場合、Cが5cm以上大きくなる場合があります。車載予定の自転車で実測することをお勧めします。
車載テスト結果
※ すべて後部座席を完全に倒した状態でテストしています。また、モデルチェンジに伴い細かい寸法が変化し、必ずしも結果が一致するとも限りません。あらかじめご了承ください。
※ 助手席は運転席と同等の位置に合わせています。また、運転姿勢などにより前席位置が変化すると、一部入らない場合がございます。
日産 ジューク
リアハッチがハンドルに干渉するため、どうやっても入りませんでした。
日産 ノート
シートポストを抜き、後輪を装着したまま車載可能でしたが、フレームサイズ54のグラベルロードも載せてみたところ、これはハンドルを回さないと入りませんでした。
また、タイヤハウスが干渉するため、VERGO-TF2の左右キャップを外さないと設置不可能でした。
マツダ デミオ
シートポストを抜き、後輪を外す必要があります。
かなり寸法が厳しいので、ハンドルを曲げたほうが無難です。
スズキ ハスラー
前後輪を外すことで車載可能です。背が高いため、サドルはそのままで大丈夫でした。また、もし助手席を下げて1台のみ車載なら、後輪もそのままで車載できます。
トヨタ アクア
シートポストを抜き、前後輪を外し、ハンドルを曲げることでぎりぎり搭載できました。後部座席を倒してもなお高さがあり、非常に困難です。スローピングフレームでしたら車載が可能かもしれません。
トヨタ ヴィッツ
アクアよりわずかに高さ方法の余裕があり、シートポストを抜き、前後輪を外し、ハンドルを曲げることで車載可能です。
トヨタ カローラフィールダー
ステーションワゴンの場合、シートポストを抜くだけで余裕をもって車載可能です。
まとめ
たまに遠くの峠に行く、もしくはコンパクトカーを所有されてる場合は輪行袋などにしっかり入れて車載、
遠征などで定期的に車載する、もしくはステーションワゴンやワンボックスカーを所有されている場合はVERGO-TF2のような車載キャリア、
車体に合うキャリアが入手可能であればルーフキャリア、
がおすすめです。
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投稿者情報:mechanic
京都のサイクルショップ自転車のQBEI(きゅうべえ)が自転車メンテナンス全般に関して綴ったブログ。ネジの締め方からカーボンバイクの扱い、電動DURA-ACEまで、バイシクルメンテナンス・自転車の扱い方を幅広く掲載。
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- 2016/05/06 - mechanic
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ヴェゼル乗り様
コメントいただきありがとうございます。
また「ヴェゼルと同系統のジュークには乗らないのに、ヴェゼルには乗せることができる」という非常に貴重な情報もいただきありがとうございます。
ヴィゼルは人気車種ですので、参考になられる方が大勢いらっしゃると思います。画像もご提供いただけるとのこと、誠にありがとうございます。
是非、いただいた情報とともに掲載させていただきたいと思います。
画像は下記アドレスに送っていただけますでしょうか。
お手数おかけしまして申し訳ございませんがよろしくお願いいたします。<送付先>
support@qbei.co.jp
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- 2017/05/08 - ヴェゼル乗り2
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ヴェゼル(ガソリン車)の車載の補足ですが、リアシートの座面を跳ねあげれば、前輪を外して置くことができます。
また、助手席を目一杯前にスライドさせれば、前輪をつけたまま(要はタイヤも何も外さなくても)でも、1台載せることができます
リアシートを倒せば、3人3台も可能だと思います
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- 2017/05/10 - mechanic
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ヴェゼル乗り様
情報をありがとうございます。
質問・コメントは下記フォームよりお送り頂けます。
- カテゴリ/タグ:Buying Guide(パーツ・ウェア)
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初めまして輪行記事を検索したらトップに来ていたので拝見させていただきました。
自分はホンダのヴェゼルに乗ってるんですが、
シートを倒した状態で、
前輪のみ外すだけでほかはそのまま縦置きが2台可能です。
写真も提供できますので良記事に添えられましたら是非。