<自転車メンテナンス>変速器の調整(フロント)
ロードバイク、MTBには通常前2(ダブル)、もしくは3(トリプル)枚のチェーンリングがついていますが、これを切り替えるのがフロントディレイラーの役目です。
リアディレイラーより難易度は高いですが、決して困難ではないので、マスターして損はないはずです。
目次
必要な工具
- 5mmアーレンキー
- プライヤー、もしくはペンチ
- プラスドライバー
一般的なフロントディレイラーは、本体もワイヤー固定ボルトも5mmアーレンキーで固定されています。一部の自転車は固定に9mmスパナを利用するものがあります。
ワイヤーを引っ張るのに役に立ちます。
サイズは2番くらいが丁度いいでしょう。
実際の調整
- フロントをインナーにする
- フロントディレイラーの位置を確認する
- アジャスターを締める
- インナー可動域を調整する
- (トリプルの場合)センターローを調整する
- アウターを調整する
- アウターに行かない
- チェーンが外側に外れた
- 最終チェック
まず、フロントディレイラーの羽とチェーンリングが平行か、真上から見て確認します。そして、フロントディレイラーを手でアウターまで動かし、チェーンリングの歯に引っかからないことを確認します。
フロントディレイラーのワイヤーの張りを調整するアジャスターを締めて、ワイヤーをたるませます。無い場合は、調整がうまくいかないときのみワイヤーをフロントディレイラーからはずします。
まずリアをロー(一番軽いギア)にして、インナー可動域ボルトを調整して、インナーローでチェーンとフロントディレイラーの内側の羽との間隔が0.5mmになるよう調整します。赤丸で示したボルトを締めると外側に、緩めると内側に行きます。
まずレバーをセンターの位置に動かし、変速するようにワイヤーを張ってください。変速したらワイヤーの張りをアジャスターで調整し、センターローでチェーンとフロントディレイラーの内側の羽との間隔が1mm程度になるようにします。
レバーをアウターの位置に動かして下さい。トリプルの場合はリアをトップ(一番重いギア)にしてください。
ダブルクランクの場合、フロントのシフトワイヤーを手で軽く引っ張り、それで変速したならワイヤーの張りが足りないので、アジャスターを緩めて変速するまでワイヤーを張ってください。
それでも変速しないならアウター可動域ボルトを変速するまで緩めてください。
アウター可動域ボルトを変速するぎりぎりのところまで締めてください。フロントの変速レバーが硬くなりすぎた場合はアジャスターを締めてワイヤーを緩めてください。
アウタートップにしたとき、チェーンとフロントディレイラーの外側の羽との間隔が0.5mmになるように調整してください。赤丸で示したボルトを締めると内側に、緩めると外側に行きます。
フロントを素早く変速させ、チェーンが外れないか、常に変速するか確認します。
注意
- 音鳴りについて
- コンパクトクランクについて
- 調整について
ここでは、激しい衝撃が加わってもチェーンが外れにくいよう、多少音鳴りしやすいセッティングを紹介しています。音鳴りを避けたい方は、可動域ボルトをほんの少し緩めてください。
最近、コンパクトクランクというインナーが34T程度のクランクを装着したロードバイクが増えていますが、多くの場合、インナーXトップ、アウターXロー付近で音鳴りします。これは変速性能を保ったまま消すことが難しいので、妥協が必要です。
フロントディレイラーは、フレーム、クランクによっては特殊な調整が必要になります。どうしてもうまくいかない場合はプロショップでの調整が必要になります。
※この記事は2008/07/14に投稿された記事に追記・再編集したものです。
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投稿者情報:mechanic