第48回☆12回目の挑戦で掴んだ日本チャンピオンタイトル

 

みなさん、こんにちは。
今年も残すところあと1ヶ月強となりましたね。
今年はトレーニング、合宿、遠征と年明けからあっという間に時間が過ぎました。
そして10月16日に国内最終戦の日本選手権　東京港大会に出場しました。
9月上旬に出場した世界選手権で足を痛めてしまい、そこから40日間の期間で故障を治しながらトレーニングを積み直さなければならない状況でした。
ただ日本選手権に１００％のピークをもっていくのではなく11月14日に出場するアジア大会に最大ピークにもっていくという計画のもとでの取り組みでしたので焦らずに取り組むことができました。
故障をしたことで自分の体を改めて見つめ直すことができ、故障の原因を見つける→故障を治すとともに細かい筋力補強により崩れていたバランス修正→素直で力強い身体へ作り直すことができました。
正に、怪我の功名　でしょうか。
そしてなにより良かったことは身体を見つめなおしながら、自分の心との対話もよくできるようになり心の成長が一番の収穫でした。
故障などをするとどうしてもネガティブになりがちになり焦ったりマイナス思考になってしまいます。
ですが、その状況を冷静に判断して乗り越えられたときは一回り大きな心を身につけることができると思います。

日本選手権までのスケジュール。
約1週間で故障箇所は良くなりジョギングできるようになる。
ベーストレーニングをメインに2週間のトレーニング。
世界選手権から２週間後に国内ジャパンカップシリーズ村上大会に出場。優勝。
レースでの高強度トレーニングとその段階での仕上がり具合を確認。
レースで得た課題をトレーニングで修正、強化。
ランニング今日を中心に取り組む。
陸上長距離選手と強化合宿。スピード強化。
選手権、1週前と2週前にバイクバンク練習２回。
バイクペーサー、スプリント練習等でスピード強化。最終ポジションチェック、修正。平坦仕様。
大会２日前に車で東京へ移動して現地入り。
練習の疲れと移動疲れから前日にやや体調を崩すが心の状態は良く不安なくレース当日を迎えることができた。

ここ３年で４位、３位、２位、着実に順位を上げてはきているがいつも勝ちきれない。
勝たないといけない大会だとは理解していても毎年９月に世界選手権シリーズを終えると身体も心もペースダウンしてしまっていました。
今年は日本選手権に必ず勝ち新たな世界への突入を決意。
勝たないとみえてこない世界があると感じたからです。
だから今年は優勝以外は敗北ということを自分に言い聞かせました。
ただレースが近づくにつれて余計な欲は無くなっていき自然とレースに向けて集中していける精神状態に変化していきました。
それはある方からヒントをいただき導いていただいたのですが、それにより心も体も不安なく自分のペースにもっていくことができたのです。
これは今までの競技人生で初めての感覚でした。
不思議な感覚で言葉であらわすのは難しいのですが、勝つ準備ができるというのはこういうことなのかなと感じました。

そしてレース当日。
緊張も不安もなくリラックスした状態でスタート時間まで過ごせました。
スタートラインに立ち、スイムコースの海を見たときに自然に今日は勝てると思いました。
レーススタート。
スタートと同時に自然に体が反応してくれて先頭へ。
速いペースで泳いでいても、他の選手と接触しても呼吸は乱れずにスムーズにスイムを終えて先頭集団でバイクへ。
バイクでも冷静に状況判断ができ、レース全体も自分自身もうまくコントロールすることができた。
先頭でランへ。
スタートから終始自分のペースでレースが進む。
もちろん苦しい場面は度々ありましたが、心が勝つということに集中していました。
日本選手権、初優勝。
心でつかんだ勝利でした。
まわりを意識してまわりのペースにあわせるのではなく、常に自分のペースで走れ、まわりを自分のペースにあわせれるような走りをできたことが最終的に勝利につんがったのではないかと思います。

日本選手権優勝とともに２０１０ジャパンカップシリーズランキング１位も獲得することができました。

最後になりましたが、レース当日、そしてこれまで長年応援し続けてくれている全ての人達に感謝しています。
ありがとうございました。
何度もくじけ寄り道をしてはたくさんの人達に道を示してもらい背中を押してもらいながらここまでこれました。

長い道のりのまだまだ途中ですのでこれからもよろしくお願いします。

山本良介