グラベルロードバイクってどれがいいの?
前回はエンデュランスロードバイクとレーシングロードバイクについて調べました。
→前回はこちら
今回はロードバイクとは似ているようで違う部分もたくさんある「グラベルロードバイク」について調べてみました。
目次
グラベルロードバイクとは
そもそもグラベルとはなんでしょうか?辞書によればgravel = 砂利 とでてきます。
つまりグラベルロードだと(バイクではなく道です)砂利道ということですね。。
グラベルロードバイクが走ることを想定しているのは↓のような道である事が多いです。
日本人のイメージだと、未舗装路、ダート、みたいな感じでしょうか。
UNBOUND GRAVELが開催されるなどグラベルロードバイクが盛り上がっているアメリカでは、このような道を
つないで走り続けることができるエリアがあるほどで、そんな環境がグラベルロードバイク人気につながっているようです。
たしかにこんな道をずっと走り続けられたら、楽しいですよね!
じゃあ、未舗装の道を見かけることの少ない日本では必要ないのか?というと
オンロードだけを走りたいなら必要ではないかもしれません。
ですが日本でも、少し脇道にそれると意外とオフロードが見つかります。
そんな未知の道を探検してみるのも楽しいでしょう。
もちろんグラベルロードバイクでオンロードを走る、というのもいいでしょう。
ロードバイクより太いタイヤが使えるので乗り心地は圧倒的に良く、田舎道でありがちな荒れたアスファルトでも
ものともしません。
タイヤが太い分重量が増え、加速や登りではさすがにロードバイクに分がありますが、レースではない自分のペースでのサイクリング、ツーリングなら
乗り心地と走破性を取る、というのも悪くないと思います。
さまざまなタイプのグラベルロードバイク
一言にグラベルロードバイクといっても、車種によってその特徴はまちまちです。
ロードバイクにレーシングバイクやエンデュランスバイクがあるようなイメージですね。
ここでは勝手に分類してみたいと思います。
タイプ1:エンデュランスロードバイクタイプ
まず1つ目のタイプは、エンデュランスロードバイクタイプです。
このタイプはグラベルロードバイクというよりは、通常のロードバイクに32~35C程度の太さのタイヤが使えるというパターンです。
ロードバイクですので、完成車でもともと装備しているタイヤは25~28Cがほとんどです。
また、カーボンフレームを選べるモデルも多いです。
キャリアや泥除けのためのマウント(ダボ穴)はついていないか、少なめの傾向です。
特にフォーク横のマウントはほとんどついていないため、この部分にマウントが欲しい場合はよく吟味する必要があります。
ほとんどオンロードを走るけれど、ライドの途中で綺麗に押し固められたグラベルを走るという人や
オンロードでも少し舗装が荒い場所を走るという人にはぴったりです。
オンロードツーリングで荷物を積むために太いタイヤを使いたい、という場合にも良いですね。
このタイプでは長いグラベル、荒れたグラベルを走りたい場合には
振動で疲れやすかったり、バイクコントロールが難しくなることが考えられます。
そのようなコースの場合にはより太いタイヤが使えるモデルのほうが良いでしょう。
FELT(フェルト)VR ADVANCED (VRアドバンスド) ULTEGRA | ||||
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Bianchi(ビアンキ)INFINITO XE DISC(インフィニートXEディスク)105 | ||||
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タイプ2:グラベルロードバイク(レーシータイプ)
2つ目はグラベルロードバイクの中でも、比較的ロードバイクに近いモデルです。
ポイントはハンドルの低さ&遠さです。
レーシングロードバイクとエンデュランスロードバイクとの比較でも出てきた、
スタックとリーチを比較したときにロードバイクに近い、ということです。
35C以上の太いタイヤを使いながらも、ロードバイクに近い姿勢を取りたい場合は
このタイプが適しています。
このタイプではタイプ1より太い、38~42Cのタイヤまで使えるモデルが多いです。
現在のグラベルロードバイク用タイヤではボリュームゾーンです。
40C程度まで太いタイヤになると、空気圧は3bar(43.5psi)未満で適正空気圧となります。
ロードバイクと比べるとかなり低い空気圧は乗り心地がよくなり、荒れた路面でもバイクの暴れや体への振動が抑えられます。
また、荷物を積むためのマウントが多くなってくるのもこのタイプからです。
キャリア、泥除け用はもちろんトップチューブ上、ダウンチューブ下、フォーク横のマウントがついているモデルが多くなります。
ですがこのタイプの中でも、特にレーシーなカーボンフレームのモデルなどではこのようなマウントはない場合もありますので検討の際はスペックをよくご確認ください。
オフロードをよく走るけれど、その入り口まではオンロードを自走するという方や
オンロードのみの行程でも太いタイヤで荷物もたくさん積んでツーリングに
出かけたいという方にこのタイプがおすすめです。
Bianchi(ビアンキ)IMPULSO ALLROAD(インプルーソオールロード) | ||||
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CERVELO(サーベロ)ASPERO-5 GRX815 Di2 (アスペロ5 GRX815 Di2) | ||||
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タイプ3:グラベルロードバイク(ツーリングタイプ)
タイプ2と一見して違いは少ないですが、よりハンドルが高い&近いこと、タイヤ幅がさらに太いモデルをツーリングタイプとして分類しました。
こちらは文字通りツーリングにおすすめしたいタイプです。
ハンドルが近く、高いリラックスしたポジションを取れるモデルが多く、フラットバーを装備したモデルもあります。
フラットバーは幅の広いフロントバッグを使うことができ、バイクコントロールもしやすいという利点があります。
フラットバー装備のグラベルロードバイクは、MTBに近いクロスバイク、とも言えるかもしれません。
また、タイヤは太くなると外径も大きくなり、安定するようになる一方でフレームとの接触を避ける設計にするとコントロール性と加速性が下がってしまいます。
このデメリットをバランスさせながら太いタイヤでエアボリュームを得られるように、このタイプでは650B(27.5インチ)を採用しているモデルも多いです。
650 x 47B のいわゆるロードプラスのサイズでは外径が700 x 30Cと同等になるため、通常のロードバイクのような軽快さをできるだけ保ちながら良い乗り心地を得られることになります。
ツーリング向きの多いこのタイプは、マウントも豊富です。
キャリア、泥除け、ダウンチューブ下、トップチューブ上、フォーク横のすべてを備えているモデルが多く、
キャリアにパニアバッグというスタイルにも、キャリアなしのバイクパッキングにも対応しやすいので
その時の荷物や行き先に合わせた積載方法が選べます。
フラットバーのモデルなら通勤通学でも使いやすく、ドロップハンドルのグラベルロードや本格的なMTBほど
は必要ないけれど、週末にサイクリングやツーリングを楽しみたいという方にはこのタイプが良いでしょう。
FELT(フェルト)BROAM60 (ブローム60) | ||||
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MARIN(マリン)MARIN DSX 1 | ||||
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対象モデル:Felt BROAM,MARIN DSX, FUJI TALAWAH, JAMIS SEQUEL
タイプ番外編:MTB
オフロードを走る自転車といえば、MTBもいわゆるグラベルを走ることは可能です。
グラベルロードバイクとMTBを比べた場合、大きなポイントとしてMTBのほうが太いタイヤを使うことができるという点があります。
タイプ3で出てきた650 x 47Bは27.5 x 1.95 にあたります。
グラベルロードバイクでは多くのモデルでこの650 x 47Bが使用可能な最大のタイヤサイズです
しかし、MTBでは完成車装着のタイヤも27.5 x 2.2 ~ 2.4 などさらに太いタイヤが使えます。
これだけ太いタイヤが使えると、特にオフロードでは乗り心地がよく、コーナーでのグリップや安心感も高まります。
さらにMTBならフルサスペンションのモデルもあり、荒れた路面では安心ですね。
反面オンロードでは抵抗が大きく、タイヤ重量も重くなってしまうのでオンロードを速く走りたい場合には細めのタイヤのほうが良いですね。
GT(ジーティー)AVALANCHE ELITE (アバランチェエリート) | ||||
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POLYGON(ポリゴン)2022年モデル SISKIU T7 | ||||
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タイプ番外編2:シクロクロス
オフロード自転車で、グラベルロードバイクにも似た自転車としてシクロクロスバイクもありますね。
基本的にはクローズドコースでレースをするための自転車です。
ドロップハンドルで、ディスクブレーキ、ロードバイクより太いタイヤとグラベルロードバイクと同じ特徴を備えています。
ですが、全く違う自転車なんです!
……と言いたいところですが、最近ではグラベルロードバイクとの違いの少ないモデルも多くなりました。
グラベルロードバイクとの違いとして、シクロクロスレースに特化しているモデルは比較的狭いコースでタイトなコーナーを曲がる必要があるため
加速とコーナリングがクイックになるようなジオメトリになっています。
逆に、グラベルロードバイクでシクロクロスレースに事出ることももちろんできます。
ですがグラベルロードバイクの場合は直進安定性の高いジオメトリであることが多いので、場合によってはコーナーが曲がりにくかったり、キャンバーでペダルが地面と接触してしまうこともあるかもしれません。
本気でレースに取り組もうという気持ちになったら、専用のシクロクロスバイクを用意したほうが良いでしょう。
FELT(フェルト)FX ADVANCED GRX 600 | ||||
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ANCHOR(アンカー)CX6D 105 | ||||
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まとめ
一言にグラベルロードバイクといってもたくさんのタイプに分かれています。
むしろ調べればしらべるほど悩んでしまうかもしれません。
ですが、それぞれに特徴はあるものの、「このタイプを選んでしまうとこれができない!」といったことはないので
ご自身の今使いたい用途と照らし合わせてカラーやデザインも含めて好みのモデルを選んでいただくのが良いのではないかと思います。
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投稿者情報:マツオ
ロードバイクでツーリングを楽しむきゅうべえスタッフ。
最近はグラベルロード購入を計画中。