【エンデューロ企画4】自転車に乗るために
前回のあらすじ―――
きゅうべえsports店長山中やベテランスタッフの説明やサポートをうけ、ついにPanasonic POSオーダシステムのクロモリ「OCR07」を手に入れたリサ。
そこへ偶然居合わせた、きゅうべえのスタッフ、山下(のちにチームきゅうべえエンデューロの監督となる)、タガミンとの出会いがリサをエンデューロ参加へと大きく動かす。
******* 第4話「自転車に乗る」 ***************************************
OCR07の納車式。
きゅうべえスタッフの山下、タガミンがリサをサイクリングに誘う。
「・・・ほんとに一緒に走っていいんですか?」
リサが興奮した様子で目を輝かせる。
「ん~、今日はヘルメットとかウェアがないから無理かな。次回にしましょうか」
タガミンが諭す。
そこへ山中店長がでてきてくる。
「ここ自転車屋さんやで~?」
「あ!(一同)」
急遽リサさんのお買い物がスタート。
「とりあえずPOS納車記念ということでこれプレゼント!」
Panasonicの非売品サイクルキャップを渡されたリサは、山中店長からヘルメットの重要性、ウェアの有用性を学ぶ。
「今日は最低限のウェアだけ揃えればいいよ。ヘルメットは貸してあげるし」
「ん~、これで完璧やね! とりあえず峠はやめといてまっすぐな道を走ってきたら?」
「了解っす!」
「じゃ、リサさんいきましょか~?」
「は、はいっ! お願いしますッ!」
こうして突然、きゅうべえスタッフの山下、タガミンとともに、リサの初めてのロードバイク体験が始まった。
「GOGOGO!♪」
グングングーンググーーン!!
初めて足を踏みこむとスムーズに動き出す車体。
クロモリ特有の安定感でバネのように伸びやかにすすむその自転車は、いままでのものとは別の乗り物。
「・・・すごい」
「でしょー!?ロードは別ですよ!別!」
先頭を走る山下が嬉しそうに叫ぶ。
「でもくれぐれも安全運転で!止まったり車を避けるときには手信号だしますから見逃さないでくださいね~!」
タガミンがサポートする。
「じゃあ、いっきますよ~」
踏んだ分だけ進む。風を感じて走る。もっと走りたい。
「今日どこまでいくんですか!?」
興奮したリサが山下に大声で聞く。
「このままあらしやまあああ」
きゅうべえsportsのある下鴨から嵐山までの往復距離は約30km。
自転車乗りにしては短すぎ、素人が聞くと驚く距離。
しかしテンションの上がったリサは嬉しそうに頷く。
「この辺り金閣寺周辺で人多いから気をつけてくださいね~」
人の多いところは徐行。
さすがにベテランの慣れた自転車乗りは違う。
金閣寺周辺をゆっくり徐行し、抜けたところは、横にあの徒然草で有名な「仁和寺」をのぞむ、ゆるやかなアップダウンの「きぬかけの路」。
そして「広沢池」をすぎて渡月橋を越えれば、あっと言う間に嵐山へ到着。
「ひいいいい!楽しい~」
「お! 疲れたじゃなくて楽しいが第一声とは相当自転車にハマる人とみた」
先導した山下も自転車の愉しさを分かる人間が一人増えご満悦。
「じゃ!次すぐ行きますか~」
休む間もなくすぐに走り出す一団。
帰りは木津川サイクリングロードを下り、五条通経由で下鴨方向へ。
車が走らないサイクリングロードはやはり楽しい。
下鴨周辺の出町柳駅についた頃にはすっかり日も落ちていた。
そしてきゅうべえsportsに帰還。
「どうっすか~!?リサさん、自転車は?」
「最っ高です。・・・おしり痛い以外は」
急遽タオルをまきつけたサドルが初ロードの意外な一面も物語る。
一同が談笑している。
そこへ、配送から帰ってきたきゅうべえの車が1台。
一人の男がその様子を目撃する。
「なんか楽しそうやん」
この目撃がリサの「エンデューロまでの道」が確信にかわる。
*******************************************************************************************************
カチカチのレーサー仕様サドルにも負けず、楽しい初ロード体験を果たしたリサさん。
タイミングと出会いが人生を変えるということが本当にあります。
次回はエンデューロに参加することになった経緯やそのためのトレーニング編です。
シェアをお願いします!
投稿者情報:migr_qbei