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チューブラータイヤの取付け・取り外し

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更新日 :

投稿者:mechanic

チューブラータイヤの取付け・取り外し

最後は指で押し込む

一部の愛好家や競技者の間で根強い人気のあるチューブラータイヤ。リムセメント(接着剤)による昔ながらの取り付け方と、専用両面テープによる貼付け方を例に取り、取り扱い方を解説します。

目次

チューブラータイヤの特徴

チューブラータイヤは、タイヤの中にチューブを入れて縫い合わせたもので、クリンチャータイヤなどと違ってリムに装着せずとも空気が入ります。タイヤだけで空気を保持できるので、リムは軽量なパイプ構造に出来、原理上バーストパンク(一気に空気が抜けるパンク)をしにくい、乗り心地や安定感に優れるという特徴があります。

ただ、取付が接着によるため、タイヤの交換やパンク修理が面倒、雨に弱い、といった弱点もあります。

チューブラータイヤの構造

チューブラータイヤの構造(チューブを抜いた状態)

チューブラータイヤの構造(チューブを抜いた状態)

チューブラータイヤを輪切りにしてチューブを取り除くと、写真のような構造をしていることがわかります(シームレスチューブラータイヤやチューブレスチューブラータイヤ除く)。基本的にはクリンチャータイヤと同じですが、チューブラータイヤのリムと接する部分には、接着力を高めタイヤを保護するため、「ふんどし」と呼ばれる綿のテープが接着されています。

チューブラータイヤの取付・下準備

チューブラータイヤは新品の状態では取り付けにくい事が多いので、本格的な貼付け前にタイヤを伸ばす作業が必要です。

  1. バルブをバルブホールに入れる
    バルブをバルブホールに入れる

    バルブをバルブホールに入れる

    バルブが斜めにならないよう注意して下さい。

  2. タイヤを少しづつはめていく
    タイヤを少しずつリムに載せていく

    タイヤを少しずつリムに載せていく

    親指でタイヤをリムに載せていきます。端から少しづつ作業することで楽に載せることができます。

    少しずつはめるのがコツ

    少しずつはめるのがコツ

  3. タイヤが正しく載ったか確認する
    歪んでいたら修正する

    歪んでいたら修正する

    タイヤがまっすぐリムに載ったか確認します。もし曲がっていた場合はその部分をひねり、修正します。

  4. 空気を入れる
    空気を、タイヤサイドに記載の最大空気圧まで充填します。
  5. しばらく放置する
    数時間~一晩放置します。十分馴染んだ頃に空気を抜き、タイヤを外します。

この作業をすることで、タイヤがわずかに伸び、リムに乗せやすくなります。

タイヤを引っ張って伸ばすとタイヤを傷めます。絶対にしないで下さい。

チューブラータイヤの貼付け方・リムセメント(接着剤)編

リムセメント(Vittoria)

リムセメント(Vittoria)

※作業前にリム表面を脱脂剤(ディグリーザーなど)でしっかり脱脂して下さい。
また、リムセメントは溶剤を含んだ接着剤ですので、作業は屋外、もしくは換気の良い屋内で行なって下さい。また、接着剤がたれてくることもありますので、床や服を汚さない様に屋外で、作業用エプロンと使い捨て手袋を装着して作業されることをおすすめします。

リムセメントにはアルミリム向けの一般的なものの他に、カーボンリムに対応したもの、トラックレーサー専用のものがございます。お手持ちのリムに適合したリムセメントをお使いください。

たとえば、トラックレーサー向けは接着力が高い代わりに熱に弱く、カーボンリム向けは接着力が弱い代わりにリムにダメージを与えにくい、というふうに用途に最適化されていますので、余った接着剤を使い回す、などはおやめください。

リムセメント一覧

  1. リムセメントをリム表面に塗り、乾かします。

    リムセメントをリムに乗せる

    リムセメントを広げる

    塗布完了

    このときリム全体に均等かつ十分な量を塗り広げてください。塗り広げる際は刷毛やビニール袋を使って、セメントが余計な箇所に付着しないよう作業します。

  2. 表面がべとつく程度まで軽く乾燥させます。速乾タイプのリムセメントではほぼ不要です。
  3. バルブが真っ直ぐになるようよく確認しながらタイヤをリムに取り付けます。

    バルブをはめる

    左右均等にはめる

    最後は指で押し込む

    はみ出したリムセメントは、タイヤ装着後に取り除きます。

  4. タイヤに軽く空気を入れ、トレッド面を基準にしてタイヤがまっすぐ入っているか確認します。

    タイヤをまっすぐに修正

    ずれている場合は、その箇所を持ち上げ捻ることで修正できます。振れ取り台やDS-30BLTのようなディスプレイスタンドを活用すると、楽に調整できます。

  5. そのまま24時間以上乾燥させれば完成

    バルブ付近が浮かないようゴムで押さえるとよりよい

リムセメントは完全には固まらないことで安定した接着力を発揮する特殊な接着剤です。完全に乾燥してしまうと接着力が著しく低下しますので、たとえタイヤに問題がなくとも約半年ごとに新たに貼り直す必要があります。また、雨天走行を行うと接着が弱くなるので、頻繁に雨天走行をされる場合やシクロクロス競技に用いる場合はより頻繁に貼り直す必要があります。
細かい注意点についてはタイヤ・セメントに添付の説明書を御覧ください。

チューブラータイヤの貼付け方・リムテープ(専用粘着テープ)編

チューブラータイヤ用両面テープ一覧

※作業前にリム表面を脱脂剤(ディグリーザーやアルコールティッシュなど)でしっかり脱脂して下さい。

  1. リムテープをリム(バルブ穴をのぞく)に貼り付けます。この時リムテープを引っ張りながら貼り付けると貼付けに失敗することがありますので、優しく貼りつけて下さい。また保護テープの両端を剥がし、リムの外側にはみ出させておきます。
  2. リムにタイヤを載せ、軽く空気を入れ、バルブは真っ直ぐか・タイヤがまっすぐ入っているか確認します。振れ取り台やDS-30BLTのようなディスプレイスタンドを活用すると、楽に調整できます。
  3. 一旦空気を抜き、リムの外側にはみ出している保護テープの端を引っ張り、保護テープをはがしていきます。強く引っ張り過ぎないよう注意して下さい。
  4. 指でタイヤをリムに抑えつけ、そののち指定空気圧まで空気を入れます。
  5. そのまま24時間以上放置すれば完成

テープによりますが、粘着力が雨等によって低下していきますので、半年を目安に張り替える必要があります。また、雨天走行を行うと接着が弱くなるので、頻繁に雨天走行をされる場合やシクロクロス競技に用いる場合はより頻繁に貼り直す必要があります。

細かい注意点についてはタイヤ・テープに添付の説明書を御覧ください。

チューブラータイヤの外し方

  1. 完全に空気を抜きます
  2. バルブと反対側の接着面に、タイヤレバーなどを押しこみ、剥がします

    タイヤレバーで外す

    タイヤレバーで外す

  3. ある程度剥がれたら、タイヤを引っ張るだけで剥がれます

    手で剥がすことができる

    手で剥がすことができる

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投稿者情報:mechanic

京都のサイクルショップ自転車のQBEI(きゅうべえ)が自転車メンテナンス全般に関して綴ったブログ。ネジの締め方からカーボンバイクの扱い、電動DURA-ACEまで、バイシクルメンテナンス・自転車の扱い方を幅広く掲載。

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