第１１回★ルビーレッドジャージ

こんにちは！DJがらぱです。

急に季節が進みましたね。昼間も長袖のパーカーが手放せないがらぱです。

前回書いていた「自転車教室」、無事終了しました！当日は２５０名近いみなさんが集まり、シマノの選手たちやボランティアスタッフとともに午前中みっちりといろんなテクニックやルールを学び、午後からは年齢ごとのレースでめいっぱい一日走ってくれました。

結構「片手を離してみる」とか「芝生の上を走ってみる」など、普段やってそうでやってないことを体験したり、中高生は「集団で走ってみる」「先頭交代をしてみる」など実戦で必要なスキルを練習したり、濃い内容だったようです。

さて。

今回のタイトル、レースがお好きな方ならば当たり前になじみのある名前なのですが、何のことだかおわかりでしょうか？

ルビーレッドジャージ。

名前から想像するに、「赤い」ジャージなんだろうなってことはわかりますよね。

自転車のウェアにはこうやって色などの特徴から広く名前の知られているものがいくつかあります。

例えば「マイヨ・ジョーヌ」。これはツールドフランスの勇者の証ですが、フランス語で「黄色いジャージ」という意味だそう。ツールド北海道では「マラカイトジャージ」。これはグリーンのジャージです。ピンときます、よね？そう、レースの中でランキングなどで上位の選手にその証として授与されるジャージにはその大会やランキングでオリジナルの色が決められているのです。ステージレースやシリーズ戦でランキングトップの選手はこの決められたトップの証のジャージを着用してレースを行います。それは強さの証であると同時に、他の選手から今まで以上にマークされるということにもなる厳しさも。このジャージをツアー中維持するのは並大抵のことではありません。

「ルビーレッドジャージ」は、全日本実業団自転車競技連盟の主催する「Jツアー」というランキングの１位の証。

年間１０数戦行われる実業団のレースで順位によってポイントが与えられてそのトップの選手が毎回計算されてレースの最後には「ルビーレッドジャージ」を授与するセレモニーが行われます。もちろん前回のジャージを守る場合もありますし、そのレースで見事な活躍をした選手が奪取する場合もあります。

２００７年の現在のランキングトップは、先週行われた加東ロード（先述のスクールの翌日に行われました）で２位に入ってポイントで首位に立ったチームミヤタの鈴木真理選手。

このレースは私は審判車両に同乗して１００キロ近いレースを携帯電話を使って本部へ実況中継していたのですが、その前のレースで首位をシマノの狩野選手に明け渡したチームミヤタが一丸となって鈴木真理選手にルビーレッドジャージを！と見事なチームプレーをしていたのが印象的でした。勝ったのは愛三工業レーシングの西谷選手でしたが、ポイント合計で見事ミヤタの鈴木選手がチームの期待に応え、赤いトップの証に袖を通したわけです。

この時のミヤタチームの走りはまさに「ルビーレッドジャージを我がチームの手に」というその一念の走りでした。

加東ロードでルビーレッドジャージを着ていたシマノの狩野選手の動きをぴったりマークし、狩野が動けばミヤタが動く。ミヤタの若手がきっちり狩野選手をマークすると同時にエースである鈴木真理選手をしっかりと最後のゴールスプリントへ送り込む。見ていて「お見事！」と思わず声に出るほどの走りでした。そこまでこのルビーレッドジャージに思い入れるには、実は理由があるのです。

チームミヤタは今年限りで伝統あるチームの歴史に終止符を打つことが決まっています。 

この実業団「Jツアー」２００７年のレースもいよいよ今週末、和歌山県白浜で行われるレースが最終戦。

泣いても笑ってもこの白浜がミヤタの実業団ラストレース。 

この白浜のレースで今年の勝者が決定します。そこで勝たなければ、来年はこのチームはないのです。

当日は全国から多くのサポーターが詰め掛けるようです。

とはいえ勝負は容赦ありません。それぞれに今年一年の思いを胸に、選手たちはルビーレッドジャージをかけて戦うのです。熱い実業団の２００７年最終戦。もし、お時間許せばぜひ応援してくださいね。 

そしてこの「Jツアー」のランキング表彰式はこのQBEIのサイトトップページでもプレゼントのお知らせをしている「サイクルモード」の東京の開催日程の中で行われます。この時は私が司会を務めさせていただく予定になっています。同時にマウンテンバイクのJシリーズの年間表彰も行われる予定です。

一枚のジャージに賭ける思い。今年も様々なドラマがありました。今週末、いよいよ２００７年の実業団のもっとも強い男が決定します。