HOME / 

トライアスリート山本良介 全力疾走 / 

第26回☆3年後に向けて。ロンドン五輪プレ大会

投稿者:山本 良介

第26回☆3年後に向けて。ロンドン五輪プレ大会

みなさん、こんにちは。
ご無沙汰になってしまい申し訳ありません。
この夏はどう過ごされましたか??
僕は8月に今年の重要なレースが3週連続で続いた為に、7月から長期合宿に取り組みレースに挑みました。
7月、8月の合宿の詳細はまた別の機会にお話させていただくとして今回は3連戦の初戦・ワールドチャンピオンシップシリーズ(WCS)ロンドン大会のお話を。

ロンドン大会は現在の世界最高峰シリーズ・WCSシリーズレースでしたが、シリーズレースをしての重要性よりも2012年のロンドン五輪の本番のコースを使ってのプレ大会ということのほうが重要でした。オリンピックで走るコースを走ったり、その土地の空気や雰囲気を3年前から経験できるということはすごく重要な事なのです。
なぜならこれから毎日のトレーニングや生活の中で常に本番のコースを頭に描きながら取り組めるからです。
より鮮明なイメージをしながら取り組めるということは練習の効果やイメージトレーニングにおいても何倍もの効果を産む事は間違いありません。
それは自分だけではなく他の選手もよく理解していますので、ロンドン大会は今年のどのシリーズレースよりハイレベルでより多くの選手がエントリーしていました。
そしてどの国もオリンピックチームで大会に挑んできていて、国単位でのオリンピック攻略にきていることを感じられました。
もちろん日本もロンドンオリンピックに向けたナショナルチームで挑みました。

開催地はロンドン・ヒースロー空港から車で約30分の距離にあるハイドパーク内。
ハイドパークの周辺はロンドンの中心街です。
10分も歩けばショッピング街に到着。
都会の中に公園や古い建物、街並が溶け込んでいて これぞロンドン!という雰囲気でしたよ。
ただ残念だったのはまだ3年前だからか会場以外はまだまだオリンピックの雰囲気はほとんどなく、街も歓迎ムードという感じではなかった事です。
今の東京の方が断然、オリンピック歓迎ムードが漂っていると感じました。

コース設定は、公園内の池を泳ぎ、公園内の道と公園外周の道路をバイク、ランで使用するコース設定でした。
今回は交通の事情で使用できなかったみたいですが、本番ではバッキンガム宮殿の前もコースになるらしいという情報でした。このへんはまだまだ噂なのでわかりませんができればロンドン名物の目の前を走りたいものですね。
レース前の試走でのコースの印象は、近年ヨーロッパでは当たり前になりつつある超高速コースだなあと。
厳しいコースをグイグイおしていくタフな選手よりも、スピード、スピード、スピード!を得意とするスピードスターな選手向きのコースです。
ヨーロッパの選手はこの手のコースを得意としており、自分は過去の経験からするとあまりスピードレースでは好成績を残せていません。。。

現地にはいつもの遠征よりも少し早めに入り、入念にコース試走をおこないました。
レース当日の気温は少し低く20度弱。
スイムコースの水温もウェットスーツ着用不可ぎりぎりの20~21度。
暑い日本から行った、自分には少し厳しい気候条件。というよりはあまり寒い中でのレースが得意ではないのです。。
男子は世界ランク上位の約70名が出場。
実力が拮抗している選手70人が一斉にスタートすると当然のごとくスタート直後からバトル、バトル、バトル!!
第1ブイを回る時には沈められるは頭を殴られるはのオンパレードです。
スタートダッシュで抜け出せない選手は、こうやって出遅れてしまうのです。
もちろん実力者はそこからでも上手く抜け出していき上位で無駄無く泳いでいきます。
僕はレースによって抜け出せたり、抜け出せなかったりとまだまだ安定していません。
ほんの少しの出遅れが何十秒にも膨れ上がってしまうのでより慎重に、かつ大胆に攻めていかなければなりません。気持ちで少しでも引いてしまったら負けです。
今回はもの凄いバトルに巻き込まれたものの、大きな集団の後方でスイムフィニッシュしました。
自分の入った大きな集団の前方に約10名の第1集団が形成されていてそこには数名の優勝候補選手も含まれていました。
先頭集団と第2集団の差は約1分。
通常なら致命的な大きな差でしたが、今回のレースでは第2集団の前方をドイツの強豪選手が固めて牽引していったために先頭との差はみるみる縮まり、バイク中盤に先頭をとらえる事が事ができました。自分も途中ローテーションに加わりましたが同一国の選手で意思の疎通が図られている為に安定してハイスピードを保たれていました。これが同一国の選手同士でなく他国の選手で利害が一致していないと意思の疎通が図れずにまとまらないのです。これもレースのアヤというか難しいところでもありおもしろいところでもあるのです。
ロードレースならバイクでそのままフィニッシュですから捨て身のアタックや走りができますが、トライアスロンの場合はバイクの後にランがあります。頭の中に少しでもランに備えたいという気持ちが働いてしまったらなかなか捨て身の走りはできないのですよね。そしてトライアスロンは個人競技。ロードレースのようにチームや国でのアシストとエースという役割分担をしているところはまだまだ少ないのです。少数ですが国やチームによってはエースとアシストが分かれているところもあります。そういうチームの動きを読む事も重要になってくるので駆け引きも大事になってきます。今回は先頭集団に一人も選手を送り込めなかったドイツが牽引した事が集団吸収の要因になりました。しかし、ドイツの選手達の牽きは圧巻でした。
先頭が大集団になったことで集団内にはラン勝負の雰囲気が漂い出しました。
数回のアタックは繰り返されたものの有力選手が抜け出す事はなくバイクフィニッシュ。
50名以上の選手がトランジッションになだれ込み、そこら中で接触トラブルが。
僕は集団前方でバイクを降りましたが前でも後ろでも横でも選手が接触してこけていました。
ここで優勝候補選手の一人が他の選手のバイクと足を接触させてしまい深い傷を負いリタイヤとなってしまっていました。
全員が1秒でも前でランスタートしたいので、トラブルは起こってしまいます。
それを回避する為には集団前方でバイクフィニッシュする事は重要。
優勝候補の選手たちは必ずバイクを降りる時には最前列をバイクを降りています。
自分よりも走力がある選手よりも後ろからランスタートする事はどういうことかみなさんもわかりますよね??
現在のWCSシリーズでのランラップトップタイムは29分台。
最初の1kmは2分40~50秒の間で入ります。
スタートで5秒遅れれば…
実力も経験も緻密な戦略も全てが必要となります。

レースの方は前方でランスタートしたもののハイスピードの流れに乗り切れずに23位でのフィニッシュ。
トップ選手とのスピードの差を痛感させられました。
ランは少し距離が短かったもののトップは28分台。自分は30分強。
高速化の中、この差をどう縮めていいくかが今後の課題になりそうです。
ちなみに優勝選手は今季WCSシリーズ4戦4勝。現役の大学生で、通っている大学はイギリス1の大学。東大よりも偏差値は高いみたいですよ。
まさに文武両道という選手でしょうか。
負けてられません。

再来週はオーストラリア ゴールドコーストで開催されるWCSシリーズ グランドファイナルレースに出場します。
疲れもたまってきていますが、上手く調整して結果を残してきたいと思います!

夏も終わり少し寂しいですが、秋のシーズンも頑張っていきましょうね!!

スイムコースの池。鴨がたくさん泳いでいてあまり奇麗な水では。。。
スイムコースの池。鴨がたくさん泳いでいてあまり奇麗な水では。。。

メインスタンドとゴールゲート。
メインスタンドとゴールゲート。

有名デパートの「HARRODS」。ラフな服装では入館禁止。。
有名デパートの「HARRODS」。ラフな服装では入館禁止。。

シェアをお願いします!

投稿者情報:山本 良介

SNSをフォローして新着情報をチェック!