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第71回★プロの語る「速く走る練習」とは

投稿者:DJ GALAPA

第71回★プロの語る「速く走る練習」とは

みなさんこんにちは!DJがらぱです。

そろそろなんだか押し迫ってそわそわ、という感じになってきましたね。
年末のお掃除も気になるところ。
大掃除のときは、自転車もキレイにしてあげてくださいね。

さて、先日、とあるロードレースの前日を利用して、今シーズンで引退を表明している、三船雅彦プロを講師に、自転車スクールがあり、その進行をさせていただきました。
参加者は、年齢もキッズからベテランまで、そして翌日のレースでの出場カテゴリーもビギナーからエリートまで、という幅広い参加者が集まり、講義と実践の充実した2時間を過ごしました。
私は、最初の1時間、講義のときのナビゲーターの役割をさせていただいたのですが、そのとき、御船プロと取り上げた話の柱が「速く走ること=安全に走ること」ということでした。
最近、日増しに自転車の無謀運転がクローズアップされています。
かつてマウンテンバイクがはやったころは、山道で暴走するライダーとハイカーが衝突し、一部で問題になりましたが、これは山の中での話しだったため、そこまで一般のニュースソースにのることはありませんでした。

しかし、最近のロードバイクブームで、通勤や通学で乗ったり、主に街中でスピードを出して乗る人が爆発的に増えたことと、ロードレースでどんどん速く走りたい、入賞したい、と願う人が増えたことで、「トレーニング」というのが当たり前になったことで、一般歩行者や、車との事故が増え、さらに一部の心無いルールを破る人の影響で、自転車自体を悪者扱いするような動きも増えています。
ここで問題になるのが「だって速く走りたい、だから練習している、だから多少無茶をしても仕方がない」という人が少なからずいること。
ただただ街中を暴走する人はもちろん問題ですが、本当にこれから危ないと感じるのは、ホビーレースを真剣にやっている方たちのこういう「速く走りたい」という気持ちによる事故だと三船プロは言います。
実際、峠の下りなどで車線を守らず、アウトインアウトで走ったり、下を向いてものすごいスピードを出したり、ヒヤリとする光景を私も目にしたことは何度でもあります。
でも、速く走りたい。
そこにどういう答えを出すのか、ということに参加者の熱い視線が集中しました。
そして、三船プロが言ったことが「速く走る=安全に走るということ。安全に走ることは速く走ることにつながる」という言葉だったのです。

大切なことは、限界を超える走り(つまりコントロールできない走り)をいかにするかではなく、自分の持つ現在の限界、そして現在自分が走っているコンディションにおいてギリギリ安全でルールを守った走りをいかに「持続」させるか、ということだ、と。

左側車線を守り、ずっと峠を走り続けることは、実はとても難しい。
コーナーでのコントロールは安易にアウトインアウトをするよりもはるかにテクニックもいる。
そしてコーナーの出口を見、カーブミラーを見、そして自分が安全を確保できる最大限ぎりぎりのスピードで走る、ということがいかに難しいか。
その練習を自分たちプロでもずっとやっている。
プロだからといって一般の道を無茶をして飛ばすことは絶対にない。
むしろ、LSDレベルの心拍を守って通勤をする(ということは峠ののぼりであろうと、下りであろうと、限界ギリギリをキープするということ)ということのほうが絶対に運動強度は高い。
そうやって徐々に自分の限界が高まってくることがレースでの速い走りにつながる、とおっしゃっていました。
実に意外、な感じもしました。
速くスピードを出さなくて、速くなる、と言うのですから。
でも、限界を知り、それをキープする、持続することで自分の限界が上がっていく、という説明になるほど、と思いました。

無謀運転になる、ということは自分でそのスピードをコントロールできていないということ。
ルールを守らない、という走りはレースでは落車につながる。
そう考えれば、赤信号の無視や、無謀なスピードでの運転がどれほどばかげているか、ということにも納得がいくのでは、というお話もされました。
とても大事なことだ、と感じます。
今の自転車ブームがブームで終わらないために。
ヨーロッパのように文化になるためには、そういう意識がとても大切だと思うし、それをプロの世界で長く走ってきた方がおっしゃることに価値がある、と思いました。
これからもこういう生の声を聞いていただけるスクールのような機会をぜひ増やしていきたい、そう思います。
みなさんはこの三船プロの話、どんなふうに思われますか?

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